夢使い
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宮へ戻り数日が過ぎた。しかしリシュナは眠ったまま。 「精霊王、少し変わります。お休みください」 「よい。今の我はこれしか出来ぬ。させてくれ」 「、、、、、」 精霊が何を言っても そこへ、別の精霊が来訪者を告げた。 「鍵の守護者、セルジュ殿がおみえです」 「セルジュが?、、、今は」 「精霊王、セルジュ殿にお話になっては如何ですか。 確かに、アズライル一人の模索は限界にきていた。 もしかしたら、手掛かりが見つかるかもしれない。 「そうじゃな。リシュナを頼む。 「承りました」 「リシュナ、、、、」 望みを託し、アズライルは部屋を出た。 |
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「ご無沙汰しております。精霊王」 「うむ。そなたも変わりないか」 「はい」 鍵の守護者セルジュ。 証となるペンダントが静かに揺れる。 「して、今日は」 「たいしたことではないのですが、こちらを」 セルジュは包みをテーブルに置いた。 「いつも頂くお茶のお礼です。お口に合えばいいのですが」 「そうか、、、、」 「リシュナ殿も、お変わりありませんか」 リシュナの姿が見えないことが、少し不思議ではあったが そう思っていたセルジュに、アズライルは告げた。 「実はの、リシュナが、、、正確にいえばリシュナの精神体が 「囚われたですと?」 ピンと、空気が張る。 アズライルは今までの経緯を説明した。 「声が呼んだ。嘆きの淵にひきこまれたのでしょうか」 「だが、あの場所には繋がるような形跡は残っておらん。 「そうでしたか。ご心痛お察しします」 「我だけでは限界じゃ。 セルジュは辿った。 「引き込まれたが、嘆きの淵とは違う。 「、、、、、、」 「見えない道の向こう。 「思い当たることがあるのか?」 「断定出来るものではありませんが」 「リシュナが助かるのなら、どのようなことでもよい」 アズライルにとっては、闇に差し込んだ光。 無論、セルジュもそんなアズライルの心は 懸念は残るが、話を進めた。 「鍵の守護者に伝わる文献に残っていたことです。 「夢に続く、、、、。 「リシュナ殿を読んだ声の主。 「して、夢から覚ます方法は」 「夢を辿ることが可能な者が存在します。 「そなたを探した時と同じじゃな。 前進と取れるかは微妙だが、無ではなくなった。 その想いが、支える力となる。 「できる範囲で調べてみます。 「手間を取らせるが頼む」 「はい」 手にした明りが消えぬよう、アズライルは強く抱きしめた。 |
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アズライルとセルジュそれぞれで手掛かりを探すも そんな、ある日。 「夢使い、、、、どうしたものかな」 セルジュは緑の深い浮島を歩いていた。すると 「ん、、、、何だ」 胸元のペンダントが急に光を帯びた。 「、、、、何に反応してる? もしや夢に続く道か。セルジュは動いてみる。 より光が強くなる方向を探した。 すると、ある地点で一際強い輝きを放ち、光が消えた。「ここか」 「待て」 「出てきたな」 影が揺らいだ。 リシュナを引きこんだ相手かと身構える。 「この先はならぬ。道を開けたら眠りを破る」 「この先に何が眠っているというんだ」 「彼、、、彼の眠りを護るが役目」 (彼、、、、。リシュナ殿ではないか) 「戻れ。破るな。道を開けるな」 想いは同じ言葉を繰り返した。 強すぎる1つの願いは逆に人を捕えてしまう。 「彼とは誰だ」 「破るな。夢使いを目覚めさせるな」 「夢使いだと?」 セルジュは思わず声をあげた。今の今捜している相手だ。 見えない道の先に夢使いがいる。 眠っている事情はわからないが、黙っていることはできない。 「悪いが、その夢使いを捜していたんだ。目覚めてもらうよ」 「何、、、、」 「我が名はセルジュ。鍵の守護者なり、道を保つ者なり。 「鍵の守護者だと?道を保つ者、、、、 「、、、、すまない。道を示せ」 光が影を砕いた。 「やめ、、ろ、、、サイファ、、、」 「夢使い、サイファか」 茂みが開き、一本の道ができていた。 先は暗く、行きつく先は見えない。 それでも、可能性があるのなら進むまで。 セルジュは一歩踏み出した。 |
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