

「、、、ん、、」
夜。
「また、、、」
ここ数日、フランシスはろくに寝ていない。うとうととしてくるも、ひどい喉の渇きが眠ることを許さなかった。
「、、、なんで、、」
今までこんなことはなかった。何をいくら飲んでも渇きはましていく。
フランシスはボトルを空けるとそのまま流し込む。あっという間に一瓶あいた。
床に放り出すとベッドに身体を投げる。それでも頭はさえたまま。
「誰か、、、助けて、、兄さん、、」
翌朝。
「フランシス、入るぞ」
叩いた扉の向こうで、ドンと音がした。アストラルは部屋へと入る。
「フランシス、、おい!」
床には空のビンが転がり
さらに空いたボトルを手にしたフランシスが虚ろな目で座り込んでいる。
「何やってる!しっかりしろ!」
「、、、大丈夫、、何とも、、ない、、」
「馬鹿いうな!何でこんなことしてる!」
「、、、もう、、無いの、、?何処かに、、もっと、、」
部屋を見わたし次のボトルを探す。
立ち上がろうとするが膝が立たない。
「、、、兄さん、、?、、ねえ、、ガラスの向こうに居るのは、、誰かな、、
ほら、、僕を見てる、、、」
空いたボトルに映るのは、自分とアストラル。
フランシスはそれを叩き割る。
だが、すぐに表情を強張らせると砕けたガラスを手にした。
「兄さん、、、ごめん、、すぐに、、戻す、、」
「フランシス、ここにいる。こっちを見てくれ」
「待って、、兄さんが、、」
「いいから!こっちを見るんだ!」
アストラルはフランシスの顔を自分に向けさせる。
「わかるか?私が誰だか」
「、、、兄さん、、」
「そうだよ。なんとも無い。ここにいるから」
「、、、兄さん、、、」
やっとフランシスの焦点が合った。フランシスはアストラルにしがみつく。
アストラルはフランシスをしっかりと抱きとめた。
「喉が渇いて、、仕方ない、、何を、どんなに飲んでも、、、ぜんぜん、、」
震えながら、瞳からこぼれる雫。
「僕は、、どうなってしまうの、、助けて、、」
「すぐに医者を呼ぶから」
「いらない、、、」
「このままに出来るか!」
「いらないってば!、、水、、何でもいいから、、飲ませて」
アストラルはフランシスを抱えベットへと戻す。
「大丈夫、、落ち着いて、眠れるから」
「兄さん、、、」
「ここにいるよ。だからお休み」
「ごめん、、ね、、」
フランシスはアストラルの手を握ったまま瞳を閉じた。
何があったのかはわからない。
だが、こうも追い詰められるまで気づかなかった自分にどうしようもなく腹が立った。
「、、、本当の家族だったら、お前を助けられるのか?」
忘れようとしていた問いがまた静かに蘇っていた。