鍵の守護者
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ヴィクトリアと別れたセルジュは門に立った。 「手立てが見つかったのですか」 「希望は見えました。全力を尽くします」 「お願いいたします」 光りに包まれ門を抜けると 「ここに水晶が」 セルジュの剣が浮く。 門に帰依する物ならば 「我が名はセルジュ。 そのまま待ってみる。 すると茂みの向こうで光が揺れた。 辿ってみると地中からだった。 「掘り起こせというのか、、、、」 やれというのなら仕方ないが、幸い人は見えない。 セルジュは精霊に頼むことにした。 「大地の精霊。地中に眠っているこの水晶 ゆっくりと精霊が動く。 水晶は大地を割ってセルジュの足元に現れた。 涙のような形をしている。 「ありがとう。あとはこれを精霊王に届ければいいんだな」 ざわざわと木々が揺れた。 「セルジュ、門が」 風の精霊が告げる。 緊迫した声にセルジュは門を見る。 「これは」 門には有翼側よりも細かい亀裂が入っていた。 手を伸ばした途端、刃のような風が向かう。 「つ、、、、」 「戻れない?」 「強引にでも抜けるしかないでしょう」 「でも、この状態の門を強引に抜けるなんて」 「どのみち終わらせなければ世界が崩れます」 「、、、、、」 「我が名はセルジュ。 セルジュは水晶玉を持ち直した。 「君の生きる世界を終りにはさせない。どうか力を」 剣の柄から光が溢れる。 セルジュを包み、そして消えた。 |
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「何、、、、」 突然門が音をたてた。 どうしてもじっとしていられず門前に来ていたヴィクトリアは 「まさか、、、、セルジュ」 「力が、、、大きな力がくる。下がって」 門番に従い正面をよけた時、爆風が抜けた。 「ん、、、けほっ」 巻き上げられた空気にむせる。 そして門に目を向けるとセルジュがいた。 「セルジュ!」 「ヴィク、、ト、、」 膝が折れた。 「しっかりして」 「大丈夫、、、、翼は痛めてないから」 「怪我してるじゃないの。何処かで休まないと」 「いや、、、このまま宮に行くつもりだ」 「門の修復までやるつもりなんでしょう。無茶よ」 「門の破損は、向こう側のほうがより深刻なんだ。 「でも」 立ちあがったセルジュに手を添える。「ヴィクトリア、わかってくれ」 「セルジュ、、、、、」 戻ってくるだけでも傷を負ったのだ。 少しの猶予もないのだろう。 だが、一人で行かせるなどできようか。 「、、、、わかった。 「ヴィクトリア、それは」 「一人になんて出来るわけないでしょう。 「だけど、、、、君にまで」 「成功して無事に帰ってくるわよ」 根拠などない。 それでも信じることが力に力になると思うから。 ヴィクトリアはセルジュの手を取りそっと包んだ。 「大丈夫、信じてる」 「、、、、ありがとう。行こうか」 「ええ」 願いと祈りを胸に、2人は飛び立った。 |
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「待つしか出来ぬというのはしんどいの」 「アズライル様、、、、」 取りに行くだけとは言ったものの いつ、何が起こるかわらない。 帰りを待つ2人も言葉少なげだった。 「リシュナ殿、アズライル様」 精霊が入った。 「セルジュ殿、お戻りです」 「戻ったか。通すがよい」 「よかった」 リシュナは両手を合わせ、安堵の溜息をついた。 精霊が下がり暫くすると 「戻りました」 「ご無事で何よりです。こちらは」 リシュナの視線を受けて、ヴィクトリアは一礼する。 「ヴィクトリアです。 「そなたがヴィクトリアか」 「え、、、、」 精霊王が自分の名前を知っているとは思わず 「あの、どうして」 「ルトヴァーユ様から伺いました。 「いえ、、、そんな」 「立会を望むならかまわぬよ。 「はい。私からもお願いいたします」 「よかろう」 「ありがとうございます」 「水晶のほうはどうであった」 「こちらに」 セルジュは水晶を取り出した。 片手に乗るほどの大きさだが 「何かしらの応えがあればいいのですけれど」 「行動あるのみじゃ。参るぞ」 「はい」 |
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