鍵の守護者
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正面に下り、門番の前に立った。 「ここから先は白銀の統括様の居城です。御用向きは」 「精霊王、アズライルじゃ。 「え、、、、こ、これは失礼致しました!」 慌てて門を開け脇へ寄る。 精霊王の来訪となれば 予告なしとなれば慌てふためいても無理はない。 「確認も取らずによいのか? 「お出になってはいません」 「わかった」 アズライルは門をくぐった。 姿が見えなくなったところで、門番は大きく息をした。 |
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「ルトヴァーユ様!」 城勤めの一人が慌てて駆け込んできた。 「、、、、何事ですか」 「あ、あの、お客様なのですが、大変なことに。 それを聞きたいのはルトヴァーユだが 「何が起ころうとも全力であたります。 「ルトヴァーユ様、、、、」 「この世界と生きるあなた達のため 「、、、、すみません。取り乱してしまって」 いくらか落ち着き、呼吸を整える。 そして来訪者の名前を告げた。 「精霊王、アズライル様がおみえです」 「精霊王が」 「はい。事前通達があって 確かに前例のないことだった。 ならばと、ルトヴァーユも頷ける。 「わかりました。客間ですね」 「はい。お願い致します」 ルトヴァーユは部屋を出た。 |
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「お待たせしました」 「通達無しにすまぬな」 「いえ。急を要することと認識しております」 前置きなしで、アズライルは本題に入った。 「こちらとキエヌ側を繋ぐ門に不具合との報告がきた」 「不具合、、、ですか。聞かない言い方ですね」 「馴染みはないの。それからアトリエに足を向けた」 「では、イーリスとお会いになりましたか」 「うむ。そこで精霊の様子をみた結果だがな。 一言でルトヴァーユは理解した。 「まさか」 「最悪の事態だけは避けねばならん。 「嘆きの渓谷の封印を強めることとは 「封印は道を閉ざすもの。 ルトヴァーユは事の重大さを改めて認識した。 最悪は世界の崩壊。 「門の様子は」 「今のところ、以上の報告はきておらん。 「しかし、何を手がかりにすればいいのか」 「何処かで古い文献を調べられぬか?」 「似た事例がないか調べるということですか?」 「手間と時間はかかるが、ほかに当てもあるまい。 「けれど、やるしかないということですね」 「そういうことじゃ」 困難な事態ではあるが、嘆いていても好転はしない。 ルトヴァーユは力強く頷いた。 「わかりました。機密図書庫を開けてみましょう」 ふと、アズライルの表情が和んだ。 「そなた、よいほうに変わったの」 「それは」 「前の白銀カルサイトの影を 「精霊王」 「交代したばかりの頃は不安のほうが大きかったようだが 「そう多くはお会いしていませんが、お見通しでしたか」 カルサイトの存在を忘れることなどない。 今でも迷いはある。 だが、同じことを同じようにやる必要はないのだ。 この世界の安定という目的は同じだが それに支えてくれる同胞がいる。 「白銀の翼を持つのは私だけですが 「個々の力などたかが知れておる。 「はい」 「さて、始めるとするかの」 「どうぞ、こちらです」 やるべきとこを心に刻み、機密図書庫へ向かった。 |
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