Night mare


「フィータさんたちって、どういう関係なのかしら」

「何か気になるのか?」

「気になるというより不思議なんです。
 3人とも年令は近いと思うんですけど、名前で呼び合っているから」

「フィータの両親はすでに故人のようじゃ。
 フィータは家族という言い方をしておらん。
 兄弟かと思うたが、そこのところは、はっきりせんの」

「一緒にいられるといいですね」

3人にとって大切という言葉は重いものなのだろう。

己が存在するために必要な理由であり
己の全てで守りたい相手。

「兄弟でも友人でも、一緒にいたいという願いが叶ってほしい」

「当事者以上に立ち入ることはできぬが
 願うことは無駄にはなるまい」

「そうですね」

願うことが力になるなら心にフィータたちを留めておこうと
リシュナはその面影をそっと抱きしめた。

「リシュナ」

「はい」

「そなたに約束の物じゃ」

「え?」

「忘れておるのか?
 そなたに似合う物を探してくると言ったであろう」

「いえ、忘れていたわけではありませんが」

忘れてはいないが、正直あてにもしていなかった。

信じていないのではなく、思ってくれただけで嬉しかったから。

「本当に見つけてくださったんですか」

「信用ないの」

「い、、いえ、すみません」

「まあ、そなたに頼ってばかりじゃ。無理もないか。
 礼のつもりで受け取ってくれぬか」

「はい。ありがとうございます」

「待っておれ」

一度部屋を出る。

「やっぱりお店の人に選んでもらったのかしら」

フィータたちへの土産を思うと、少しばかり不安になった。

しばらくして戻ったアズライルの手にあったのは
パールとチェーンの二連ネックレス。

「綺麗」

腕を回しリシュナの首にかける。

胸元で美しく輝いた。

「これからもそなたに助けられることが多かろう。
 全てを任せるつもりはないが、頼りにしておるよ」

「はい」

互いを優しく包むように、2人は微笑みを交わした。


   BACK