親子


幻珱 「ここに、、あの子が」

由衣 「見ない顔だね。新しい人?」

幻珱 「あ、はい」

由衣 「僕は由衣。着てるものからすると、魅影たちのほうかな。
     それとも、鳳牙たちと同郷?」

幻珱 「ここに、白い狐がいると聞いたのですが」

由衣 「、、、氷雨のこと?あなた誰」

幻珱 「幻珱と申します。氷雨は私の子です」

由衣 「氷雨の、、、」

魅影 「父だと」

由衣 「魅影」

魅影 「それが真だというなら、聞かせてもらおうか。
     母狐が傷を負って妖しの里に逃げ込んだわけを」

幻珱 「傷、、、、では風花は」

魅影 「風花、、、母の名か。
     私達に氷雨を託してそのまま眠りについた」

幻珱 「あの子は、氷雨は」

魅影 「その前に、訊いたことに答えろ」

由衣 「話を聞きたいなら、そんな険しい顔しなくてもいいじゃない」

魅影 「、、、、、」

由衣 「さて、あなた人?それとも妖し?」

幻珱 「、、、人です。怪我で動けずにいた風花を見つけ
     連れ帰りました。
     名前しか明かしてくれませんでしたが
     私はそのまま留めました。
     氷雨を授かり、暫くして館の者が
     狐の姿の風花を見たと。
     気のせいだろうと相手にしませんでした。けれど、、」

魅影 「人と獣の姿を併せ持つ妖しは
     子をなすと人の姿を保つのが難しくなる。
     白狐だと知って、捨てたか?」

幻珱 「いいえ。妖しだろうが共にいたかった。
     けれど風花は、皆の前で最初から惑わすつもりだったと。
     そう、、、言い切ったのです。
     そのまま氷雨と姿を消しました。
     私は追手を止められなかった。
     どうか、あの子が無事なら一目だけでも会わせてください。
     この通り、お願いいたします」

魅影 「、、、、、」

由衣 「ま、氷雨の面倒見てたのは魅影なんだし。
     決める権利は魅影にあると思うよ。
     会わせるのが嫌なら、追い返せばいい」

魅影 「試すような言い方だな」

由衣 「別に」

魅影 「ここにいろ」


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