導きの丘(V)

翌日。

「世話になりましたね。ありがとうございました」

「また来るわ。元気で」

「ルディさんとアントワネットさんも。いつでも来てくださいね」

「本当に、、、ありがとう、2人とも。2人がいてくれることに感謝してるわ」

「アントワネットさん、、、よかった」

嬉しそうに笑った。

「レイス、ガレリアのことお願いしますね。いてもらわないと困ります」

「言われるまでもないさ」

互いに何があったのかは解っている。だから、これ以上の言葉は要らない。

「それでは、また」

ルディがアントワネットの腕を取り、やがて小さくなった2人の影が消えた。


2人を送り出し部屋に戻ると、レイスはガレリアを抱き上げソファーに下ろす。

「2人が来る前の続きだ」

「もう、、、」

くすくすと笑いながらも腕を回す。

シャツが滑り落ち、あらわになった肌に口付けが落ちた。

「レイス、、ん、っ、アントワネットさん、泣けた?」

「ああ、大丈夫だろう。そっちは」

「ルディさんも、、大丈夫だと思う。不安は消えないだろうけど
 それ以上にアントワネットさんが希望になるよ」

「お前の言ったとうりになったな」

互いに言えないことが重なって息苦しくなるときがある。

2人が来たのはそんな話をしていたときだった。

「どうしてそう思った?お前も私と2人だけじゃ」

「僕はレイスしか欲しくない。僕自身を預けられるのはレイスだけだよ。
 もしレイスが僕のこといらなくなったら、僕を殺していってね」

計算したうえでの言葉なのか、思っていることをそのまま言っているのか。

ガレリアのことを天使のようだとも、誘惑の悪魔かとも思う。

「続き、、、、、するんじゃないの?」

妖艶に微笑んだ。

「ああ、、、お前に囚われた、幸せな男だよ、私は。その鎖、解かないでくれ」

「ぅ、、レ、、イ、、あ、、」

互いを激しく抱きしめる。長い髪が波のように揺れた。

「私だけの、、、」

悪魔。そう言おうとして言葉を切った。

たどり着くのは天の高みか地の底か。そんな疑問がレイスの脳裏を掠めていった。



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