杯指南


寥牙 「(ず〜ん、、、)情けない、、、、いくら酒に弱いといっても、李桂の膝で眠り込むなんて。やはり、、、、どうにかしなくては」


香玉 「綺麗な色になったし、味も上出来。上手くいきましたね」

寥牙 「香玉、少しいいですか」

香玉 「私に何か」

寥牙 「お酒を飲めるようになる方法というものがあるのでしょうか」

香玉 「、、、、飲めないものを、無理に飲まなくてもいいと思いますが」

寥牙 「しかし、、、このままではあまりにも自分が情けなくて。
     せめて、自分が何をしたのか覚えているくらいまでは
     飲めるようになりたいのです。
     、、、、お酒の付き合いというのも、、
     その、少しばかりしてみたいので、、、、、」

香玉 「、、、気持ちはわかりました。
     とはいえ、これをすれば飲めるという方法は
     私にも思いつきません。
     どうしてもというのなら、、、、
     徐々に飲み慣れていくくらいしか思いつきませんけれど」 

寥牙 「、、、、あ、あの、香玉、付き合ってもらえませんか。
     何を言い出すかわかりませんけれど
     あなたなら受け流せますよね?」 

香玉 「(私ならって、、、どういう判断基準なんだろう)
     いいですよ。そこまで本気なら付き合いましょう。
     とりあえずグラス一杯くらいから。
     これくらいなら心配するようなこともおきないでしょうから」

寥牙 「ありがとうございます」


鳳牙 「、、、、懲りぬな。香玉、わかっていて飲ませておるのか?」

香玉 「グラス一杯ですよ。今日はここまで」

寥牙 「あの、、(ひっく)、、、私が頼んだのです(ぽ〜)
     酒と呼べないような弱いものでも、私は記憶が抜けたり眠り込んでしまったり。
     、、、それでは、、あまりにも自分がなさけなく、、、それで少しずつ、、慣らしてみようかと」

鳳牙 「そうまでして酒を飲みたいのか?飲めぬなら飲めぬでよかろうに」

寥牙 「鳳牙様と、、、杯を交わしてみたいのです」

鳳牙 「寥牙、、、、」

寥牙 「人里で仰っていた。
     本当に心を許した者のために、酒と杯がある。
     それを、畏れ多くも私にと。
     それが出来ないのは本当に残念だと」

鳳牙 「あのときの言葉を覚えておったのか?
     寥牙、我のためにと思うておるのなら
     このような無茶をするでない。
     言うたはずじゃ。我のために苦しむなと」

寥牙 「私自身のためです。私が、、、望んでいることなのです」

鳳牙 「、、、、、、」

香玉 「無茶はさせませんよ。ちゃんと加減はみますから」

寥牙 「鳳牙様、覚えていらっしゃいますか?
     人里で、瑠姫が宝石のように綺麗な月だと言ったとき
     鳳牙様は杯に月を映して瑠姫に差し出し、こう仰った。
     『この宝石をそなたに』と。
     そのときの瑠姫は本当に嬉しそうだった」

香玉 「ずいぶんと粋なことを」

鳳牙 「里が荒れても、月は変わらぬのであろうな」

寥牙 「鳳牙様、鳳牙様が酒と呼べるくらいのものが私も飲めるようになったら」

鳳牙 「人里には戻れぬが、キエヌという町の酒場にもでも、共にまいろう」

寥牙 「はい!(にこ)努力精進いたします」

香玉 「(記憶は飛ばないでしょうけど、少し酔ってるかな。、、、どこまでも実直なのだから)
     そのときはご一緒させてくださいね」


  BACK