受け継がれる想い


瑚凛 「(どう思うだろう。受け取ってくれるかな、、。
     それとも、もし嫌な思いをさせるなら、止めたほうがいいのかな、、)」

絵麻 「あら、、どうしたのからしら。下を向いて考え込んでる。
     、、、また雹刹様が要らないこと言ってなければいいけれど」

瑚凛 「(ううん。せっかく父さんが母さんの着物解いてくれたんだ。
     それに、、後悔はするなって、、、よし)うわっ
     (☆顔を上げたら絵麻がいる)あ、、、あの、、いつから」

絵麻 「驚かせちゃったかしら、、。すみません。
     何だか、ずっと考え事してるから。どうしたんですか」

瑚凛 「あの、、ね、、えっと、、、(どきまぎ)」

香玉 「(☆気づかれないよう、そっと物陰から窺う)
      そのまま”絵麻にあげたい”って言えばいいんですよ」

雹刹 「(☆香玉に同じ)あれで、絵麻がもう少し引っ込み思案だったなら」

絵麻 「これ、着物ですか?落ち着いた綺麗な柄ですね。
     でも、、どうして瑚凛さんが振袖なんて」

瑚凛 「あの、、(母さんが父さんに届けた想い、、、僕にも届けさせて)
     絵麻に、、、なんだ」

香玉 「(☆物陰より)しっかり。引いてはだめですよ」

絵麻 「私、、、」

瑚凛 「うん。絵麻に、、何か贈り物したいなって思って」

絵麻 「、、、、、」

瑚凛 「父さんに相談したら、昔母さんが父さんに贈った着物を解いてくれた。
     僕が、、、何かをしてあげたいって、
     そう思う相手に渡してあげなさいって。
     そうすれば、母さんも喜ぶだろうって」

絵麻 「でも、、そんな大切なもの、、、」

瑚凛 「大切なものだから、、、絵麻にあげたい。
     だけど、迷惑なら断って。嫌な思いはさせたくないから」

雹刹 「(☆物陰より)絵麻、信じてみろ」

絵麻 「これを贈った瑚凛さんのお母様も、ずっと大切にしていた香玉さんも
     相手の方を忘れられずに、大切に自分の中にしまっていたんですね。
     ただ、、、、気がつくタイミングが少しずれてしまった」

瑚凛 「受け取って、、、くれる?」

絵麻 「はい。瑚凛さんのお母様と、瑚凛さんの優しい心と一緒に。
     ありがとうございます」

瑚凛 「絵麻、、ありがとう」

絵麻 「着てきますね」

瑚凛 「わかる?僕が手伝うわけにもいかないけど」

絵麻 「何となく、見よう見真似でやってみます(去)」


香玉 「よかったですね」

雹刹 「男らしかったぞ」

瑚凛 「父さん?雹刹さんまで、、まさか、全部聞いてたの?」

香玉 「結果的にはそうなりますが、、、すみませんでした。瑚凛、ありがとう。報われなかった想いも、受け継いでくれる人がいれば救われるでしょう」

瑚凛 「父さん、、、、」

雹刹 「絵麻のこと、頼んだぞ。さて、無事に渡せたことだし、私たちは消えるか」

絵麻 「お待たせしました」

瑚凛 「似合うよ。綺麗」

絵麻 「ありがとうございます。着方、合ってますか」

瑚凛 「うん。大丈夫。
     、、、母さんも、これでよかったって思ってくれるかな。
     母さんは、、、父さんがこの着物きたところ
     見たことあるんだろうか」

絵麻 「、、、お母様がいらしたら
     私が受け取ってよかったですかって、聞いてみたいわ。
     瑚凛さんがお母様の想いを託した相手、私でいいですかって」

瑚凛 「絵麻だから、、、きっと、、、」

絵麻 「私、、、あの、、、」

瑚凛 「ここに来る前のことは、ゆっくりでいい。
     絵麻が、自分で話してもいいって思えるまで、待ってる」

絵麻 「ごめんなさい」

瑚凛 「ううん。僕がそうしたいだけだよ」

絵麻 「(瑚凛にそっと添う)」

瑚凛 「、、、絵麻」

絵麻 「あったかいです、、、、」

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