3人官女


桔梗 「正月か」

冥鬼 「2人共、鮮やかな(内心:派手な)着物だね」

香玉 「新年を祝う時期ですからね。このくらいのほうが、場には合いますよ」

冥鬼 「まあ、紫水が選んだ色なら、的外れってことはないだろうけど。
     実際、私は香玉の紅色は合わないだろうね」

香玉 「淡いブルーとはいえ、アイシャドウはっきり乗っていますものね。
     冥鬼なら寒色系かと思っていましたけど
     今の渋い色目は以外でした」

冥鬼 「おや。そう?」

香玉 「ええ。その色目なら寥牙あたりかと思いましたが」

冥鬼 「私は桔梗のそっちのほうが意外」

桔梗 「そうですか?」

香玉 「確かに、、紫水の選択にしては、使っている色が多い柄かな」

冥鬼 「でも、それが一番しっくりくるのは桔梗で正解だろうさ。
     その髪と瞳だから、これだけ色使いの多い着物でも
     纏まって落ち着いて見えるんだろう」

香玉 「洋装も悪くは無いけれど、やはり着物のほうが楽しいですね」

桔梗 「(ぼそ)この光景を見て
     どれだけの人が男3人だと素直に思うんだろうか」

冥鬼 「何か言ったかい?」

桔梗 「いいえ。褒めてもらっていると思っていいんですか」

冥鬼 「もちろんさ」


珠莉 「しかし、、ここの住人て”男に見えない男”っていうか”女に見える男”が多いよな。特にあのへん3人。
     冥鬼はともかく、桔梗は、ここに来る前に瑚凛の面倒を見てた。育ての親ってやつだ。
     香玉は瑚凛の実の父親で、珀翠の旦那だろう。旦那が並の女より美人て、どうなんだろうな」

珂晶 「本当に大切で必要な人になれば、外見など気にならなくなりますよ」

珠莉 「、、、珂晶は、香玉と珀翠が知り合った頃を知ってるのか」

珂晶 「ええ。当人以外からは詳しいことは話せませんが。
     着飾った美しいときに傍に居た人は
     その美しさが消えたら離れるかもしれない。
     けれど、身も心も疲れて、脆くて情けなくなるような姿。
     そんな時にこそ傍に居て、ぼろぼろだった相手を心配してくれた。
     そのような優しい心の持ち主なら、外見が美しいかなど
     相手を想う基準には関係なくなると思います。
     香玉も珀翠も、互いが一番辛いときに隣にいたのだから」

珠莉 「一番苦しい時に隣にいた、、、」

珂晶 「もしも、この先独りになることがあっても
     その時の記憶が己を支えてくれる。大切な宝物です」

珠莉 「そうだよな、、、。俺も、親分や兄貴や柚葉さん、、、
     麗羅さんに船の仲間たち、、、みんな大切な人たちだもんな。
     でもさ、それはそれとして、やっぱりあの3人
     女だっていっても違和感ないだろう?
     実際、香玉はドレス着てるし桔梗は女に間違えられてるし
     冥鬼も多分、、、、間違えられても驚かない。
     俺は、、、、、ま、どう転んだって無理だな。
     綺麗って褒められても嬉しくないからいいけど。珂晶は?」

珂晶 「私?」

珠莉 「着物かドレス。形と色目は、紫水に任せられるだろう」

珂晶 「え?あの」

珠莉 「あの親分だって、ドレスみたいな服着たんだしさ」

珂晶 「ちょっと待ってください。、、、、私も、その、綺麗よりは、、頼りがいがある、とかのほうが嬉しいです」

珠莉 「そっか、、、そうだよな。大切な相手が出来たら、絶対守ってやりたい。他のやつじゃなくて俺が」

珂晶 「(独り言)守るのは難しい。でも、、、その気持ちは忘れないでください」


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