時は流れる。

「お役目、お受けいたします」

「そうか、、よかった。間に合わないかと思ったぞ」

すでにベットから起き上がることはなくなっていた。

ジルファールのような急激な変化は今まで例がなかった。

兆しが現れてから交代まで、次の統治者選定に始まり継承式をこなすまで時間が与えられるのが常であり
今回のように倒れこむなどありえなかったことだ。

「急な話になって悪かったな」

「いえ、それは気になさらないでください。
 それとイリアーナ様のことですが

 私たちの後見役をお願いしたいと考えています」

「そうしてくれるか、、、ありがとう。あとは継承式だけだな」

セラフィスの顔が曇る。

それまで体力がもつのか、その不安のほうが大きかった。

「なんて顔してる、、、」

ジルファールの手が頬に触れた。いとし子を見るようにセラフィスを見る。

「お前は、どんな統治者になるんだろうな。
 天界と冥府、両方の証を持つお前が どんな統治者になるのか、、
 見届けることができないなんて残念だよ。本当に」

セラフィスはジルファールの手をそっと戻した。

「お2人の名に恥ずかしくないよう務めます。
 できることは代行いたしますから体力の温存だけは
 しっかりなさってください。少しお休みになりますか」

「そうだな、、喋りすぎた」

「また参ります」

セラフィスは音をたてないように部屋を出ると
イリアーナの元へと向かった




「後見人、、、」

「はい。私もリリスも何かと不慣れですし、イリアーナ様に教えを乞うこともあるかと思います。
 お願いできますか」

「ありがとう。でも、ジルが眠りについたら私もそうするわ」

予想しなかった答えではない。むしろ、やはりという気がした。

「閣下は生きてほしいと、望んでおいでです」

「わかってる。言われたもの、自分が眠りについてもお前は生きろって。
 私がジルの立場でもそう言ったでしょう。
 でも、ジルと生きていくって決めたときにこうすることも決めたの」

そういいきるイリアーナに迷いはなかった。

引き止めても無駄だと、そう納得するには十分だった。

「わかりました」

「イリアーナ様、いなくなっちゃうんですか?」

リリスの真っ直ぐな眼差しがイリアーナを見上げる。

そんなリリスが、イリア−ナはどこまでも愛しかった。

「これからはあなたが女主人よ。
 セラフィスのこと、助けてあげてね」

「、、、あたし、イリアーナ様やジルファール様のこと大好きです」

「ありがとう。私もよ」

イリアーナはそっとリリスを抱きしめていた。

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