
精霊王の住まう場所。
ロゼルトとの一件の終わりを見届け、王はいるべき場所へと戻った。
その回りを見えない光が揺れる。
人はいつか、精霊を見なくなるだろう。概念として残っても見ることは出来なくなる。
伝承だけが伝わり、伝説と形をかえる。今すぐではないかもしれない。
だが、そう遠い未来ではない。
わかってはいるけれど、、、。
「破壊と創世を繰り返すのが人の歴史、、
滅ぶのか原点に還るのか、、それでも、、」
たった一人でも、精霊の声が届く誰かがいてほしいと
そう望まずにはいられなかった。
精霊が何かに気づいて場所を空ける。その相手は王の花嫁である月の女神。
「それでも、、、貴方は人が愛おしい。そうでしょう」
「そうありたいと、、願う」
「大丈夫、善も悪も、喜びも悲しみも、無駄にはならないわ。
過ちも多いけど、その過ちを繰り返さないよう努力も出来る。
人は私たちが思うより、ずっと強いから」
「、、、そうだな」
「今は、あの双子の行く先を見守りましょう。
漆黒と白銀が出会うなんて、奇跡に近いこと。
まして、憎まずにお互いを認めることが出来ているんだもの。
綺麗な和音のように、きっといい歴史が刻まれていくわ」
「漆黒と白銀が奏でる協奏曲か、、いい音色になりそうだ」
フィリオスが治めたこの時代、国は最も安定したと、後の世で語られることになる。
だがその影で、フィリオスを助けた漆黒の存在を知る者は極僅か。
双子が眠りについたのは、奇しくも同じ日の同じ時刻。
空からは、弔いの雨が一日中降り続いていたという。
〜 Fin 〜