告白

翌朝。朝というには遅い時間だったが、レイスの容態は安定に向かっていた。

「、、、、、、」

「おはようございます。よかった」

その言葉は心からのもの。

「世話になったな」

「いいえ」

ベットから出ようと身体を起こす。だが動ける状態ではなかった。

ぐらついたレイスをガレリアが支える。

「無理ですよ。熱だってまだ」

その言葉のとうり、レイスの肌はほんのりと熱い。

「どうして私の心配なんかするんだ?」

「え、、、」

「憎みはしても、心配する理由なんかないだろう?」

「レイス、、」

どうして?その答えはでない。

唯一自覚しているのは、失いたくないという思い。

レイスの手がガレリアの頬に触れる。そして初めて微笑んだ。

どこか寂しげな、哀しげな瞳。

「こんな状況でも、お前は心を失くさないんだな。それに比べて私は、、」

ガレリアはその手に自分の手を重ねる。

「一度は失いかけた。でも、あの時、目が覚めた時に隣にレイスがいてくれたから、僕は、、」

ガレリアはレイスに、にこりと笑いかけた。あの時の記憶があれば、生きていける気がした。

「あの時の記憶があれば、僕は生きていけます、きっと。
 ありがとう。、、、僕を身請けする相手、決まったんでしょう?」

「、、、、」

「大丈夫、僕行きますから」

レイスはガレリアを引き寄せた。

「お前は、養子として送り出す」

それは考えもしなかった答え。驚いてレイスを見返す。

「お前と同じくらいの息子を失くした知り合いがいる。
 養子を探していたからそこへ行け」

「レイス、、」

「金持ちじゃないが、生活に困ることはないだろう」

「そんな、、どうして」

「夕べの礼だと思えばいい」

「でも、、」

「今更こんなこと言えた立場じゃないが、、幸せになれ。
 私のことなんか忘れてな」

喜べなかった。

むしろはっきりと自覚した思い。

「、、、行きたくない」

「何を言っている?」

ガレリアは傷に当たらないようそっと腕を回す。

「あなたの、、レイスの傍にいたい。このままでいいから、置いてください。
 他に望むことなんてない。いるだけでいい。だから」

「私が何をしているか知っていてか?」

コクリ

「続けるとしてもか?」

コクリ

「また死に掛けるかもしれない」

ピクリ

「それでもか?」

「レイスだから、、他の誰でもないレイスだから
 傍にいたい、腕の中にいたい」

「とんでもない馬鹿だな」

「レイスといられるなら、何だっていい」

「もっとも、そんなお前に惚れる私のほうがよっぽど馬鹿か」

「今、、何て」

「本当に私でいいんだな」

「レイスがいい。レイスじゃなきゃ嫌だ」

それは、耳元で囁かれる突然の告白。

”アイシテル”

「レイス、、、」


そして夜。

愛しい相手の腕を枕代わりにして、2人は身体を寄せる。

何も読めなかった瞳が、優しくガレリアを見ていた。

「憎まれこそすれ、許されるなんてな。
 私はお前を苦しめただけなのに」

「だから、養子なんてこと考えたの」

「それが最善だと思った。
 今からでも、幸せになるために」

「レイスがいてくれればいい。それだけで」

ためらいがちに腕を背中に回す。

レイスがガレリアを包み、その中にすっぽりと納まるように
ガレリアは更に身体を寄せた。

愛する相手の腕に包まれ、夜は静かに更けていく。



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