桔梗と香玉

瑚凛 「何て言えばいいんだろう。へんに思われないかな、、、
     別に余り物じゃない。これはこれで作ったんだから。でも、、雹刹さんに頼もう。あの」

雹刹 「ん?」

瑚凛 「これ、桔梗さんと僕と瑚凛で作ったんです。
     よかったら絵麻さんと食べてください」

雹刹 「渡したいのは絵麻ではないのか」

瑚凛 「え、、でも、迷惑だったら悪いから」

雹刹 「考えすぎた。それに絵麻は甘いもの好きだぞ」

瑚凛 「、、、喜んでくれるかな」

雹刹 「まあ、座れ」

瑚凛 「はい」

雹刹 「しかし、女というのは不思議なものだな。
     どれだけ食事をしても甘いものは入るのだから。
     いくら小さくても、ケーキを5,6個も一度に食えるものなのか?」    

瑚凛 「それは、、僕にはわからないですけど、、、」

雹刹 「女性全てとはいわないが、甘いもの好きは大方だろうな。
     ここにいる女性たちもそうなのか?」

瑚凛 「ケーキ5,6個ってことはないと思いますよ」

雹刹 「見ていていいものではないな」

瑚凛 「絵麻さんがそうなの?」

雹刹 「いや、絵麻がではない。極端なやつを知ってはいるが。
     そもそも、食事というのは質のよいものを質のよい空間で
     時間とともにゆっくり味わう贅沢、これが持論だ。
     短時間で詰め込むような食べ方は感心せん」

絵麻 「今度は何のお話ですか」

瑚凛 「あ、、、」

雹刹 「丁度いい。絵麻に用事だそうだ」

瑚凛 「え、、、、」

絵麻 「私?」

瑚凛 「ちょっと待って。急にそんな」

雹刹 「(ひそ)頑張れよ」

瑚凛 「(頑張れって、、、何をどう)」


絵麻 「また何か困らせるようなこと言ったんですか」

瑚凛 「そうじゃないよ。用事があったのはほんとのことだから。
     これ、、、僕と氷雨と桔梗さんで作ったんだ。よかったら雹刹さんと食べて」

絵麻 「美味しそう。いただきますね。
     そうえば、香玉さんとは仲直りできたんですか?」

瑚凛 「仲直り、、、あ、喧嘩してたわけじゃないけど、多分大丈夫」

絵麻 「よかった。そうとうへこんでましたものね。魅影さんも」

瑚凛 「父さんと桔梗さんが一緒にいるからって、どっちかを選ぶつもりなんかない。
     父さんは父さんで、桔梗さんは桔梗さん。でも、そうは見えないのかな。
     例えば、桔梗さんと昔話をしていたら父さんはあまりいい気持ちはしなくて
     逆に父さんといたら、桔梗さんは何でだって。
     僕が父さんを探したいって言ったとき、桔梗さん反対したんだ。
     父さんは僕と母さんをほったらかしにしてたのに、何で今更って。
     父さんのこと、ほんとはよく思ってないかもしれない。
     僕と母さんのこと、考えてくれるのはわかってるんだけどね」

絵麻 「優しいんですね」

瑚凛 「父さんと桔梗さんに喧嘩してほしくない」

絵麻 「このお菓子、香玉さんには」

瑚凛 「あげて、珀翠さんとも一緒に食べたよ」

絵麻 「伝わりますよ。瑚凛さんの思いやりがいっぱい詰まってるんですもの」

瑚凛 「そう言ってくれると、何だか安心するな。、、、あの、、絵麻さん」 

絵麻 「はい」

瑚凛 「えと、、その、、(わからない。何だろう、これ。僕は、、、何がいいたいの)
     ごめん。何でもない」

絵麻 「私でよければ、いつでもお話ききますね」

瑚凛 「ありがとう」


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