光の妖精


珀翠 「なんか落ち着かないっていうか、、、
     やっぱり私とはちがうのかな」

(足音)

珀翠 (あ、麗羅)

麗羅 「誰かいますか」

珀翠 「一人分空いてるよ」

麗羅 「珀翠さん。えっと、今は」

珀翠 「人の姿。足元にはいないから大丈夫」

麗羅 「はい(座る)」

珀翠 「ここにいる人の声って
     だいたいは聞き分けられるの?」

麗羅 「ええ」

珀翠 「他の感覚が鋭くなるっていうけど
     それって音が一番なのかな」

麗羅 「多分。僕にとって入ってくる情報が
     最も多いからだと思います。
     同じ言葉でも、声の調子って時によって違うでしょう」

珀翠 「うん」

麗羅 「何でもないって言っても
     本当に何でもない時と、何かあった時は違うし。
     わかるものですよ、それって」

珀翠 「麗羅に嘘はつけないってことか」

麗羅 「見えないから、気をつかっての嘘もあったけど」

珀翠 「、、、、、」

麗羅 「心配してくれてるのはわかるけど
     でも、後から全然違うところから聞かされるの
     きつい時もあるんですよね」

珀翠 「麗羅のためを思っても、難しいよな」

麗羅 「でも、みんないい人だから、僕は恵まれてます。
     見えていた頃の風景が、時間がすぎるほどに
     遠くなっていく気がするのは、少し残念だけど」

珀翠 「、、、、、もし見えるなら、見てみたい?」

麗羅 「そんな、、、、不可能なもしもなんて」

珀翠 「出来なくはない。少しの間だけど」

麗羅 「、、、、、」

珀翠 「妖しの人にはない力。ここの風景、見せられるよ」

麗羅 「珀翠さんのことも?」

珀翠 「うん」

麗羅 「ほんとに?」

珀翠 「やってみていい?」

麗羅 「はい」


珀翠 「手、重ねるからね」

麗羅 「、、、、見えてるの、珀翠さん?
     真っ白で、綺麗なドレス」

珀翠 「え、あ、、、、」

麗羅 「似合ってる。
     優しく包み込んでくれる、淡い光みたい」

珀翠 「それは、褒めすぎ。
     自分では、どこか違うような気がしてるのに」

麗羅 「そうなんですか?」

珀翠 「淡い感じのドレスも着てみたいなって思って
     出してもらったんだ。
     でも、今までドレスなんて縁の薄かったものだし
     まして、真っ白がくるとは思ってなかったから
     落ち着かないっていうか」

麗羅 「慣れてないだけですよ。大丈夫」

珀翠 「ほんとに?」

麗羅 「もちろん」

珀翠 「言ってくれるなら、そう思ってようかな」

麗羅 「香玉さんにも見せてあげたら」

珀翠 「香玉は、、、、多分私よりドレスが似合う」

麗羅 「ドレスに違和感ない男の人は多いって
     みんな言ってるけど」

珀翠 「どうしてだろうって思うくらいね。
     あ、みんなの顔見に行ってみる?」

麗羅 「え、、、そこまではいいです」

珀翠 「、、、、、、」

麗羅 「1つ叶ってしまったら
     あれもこれもって我儘になる気がするから。
     僕だけ特別になるのも嫌だし」

珀翠 「そこまで謙虚にならなくても」

麗羅 「見えてないこと、残念に思う時も確かにあるけど
     だけど、、、、うん、大丈夫」

珀翠 「じゃあ、時々はみんなに内緒で。
     もちろん無理にとはいわないから
     気が乗らなければ、それはそれでいいよ」

麗羅 「はい。ありがとう」


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